【INI】KPOPファンダム文化と日本の貢献型文化が生み出した、INIハーフミリオン達成

 

どうも、久々にブログを動かしました。

日プ放送時代仕事の忙しさにかまけてまともにブログを書けなかった私ですが、

今日は、最近の”推し活”文化ってここまで進化しているのか・・・という内容をつらつらと書きます。

 

なにはともあれ、

INIファーストシングル「A」ハーフミリオン達成おめでとうございます!

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「日本の音楽業界変わった!」や「時代変えてくで!」といったMINIの皆様の意気込みを見ているわけですが、数字で見ると確かにものすごい記録だな、と感じています。

 

・誕生して2年程の事務所から生まれた

・結成5か月に満たないグループが

・デビューシングルで

・初週50万枚

 

なんていう、ベンチャー企業東証一部上場みたいなことがなされてしまったので、

社員の皆様(MINI)は今頃打ち上げの真っただ中、という感じでしょうか。

 

そんな「男性アイドル界のメルカリ」ことINIは、なぜこんなに急成長したのか?について少し考えてみました。

 

結論から申し上げますと、

・競合との全面対決構成(あくまで構成上)

・日本で育った”貢献型ヲタク文化”×韓国育ちの”ファンダム文化”のM&Aの体制が整った

・情報発信がしっかりとワーク

の3点があるかなと思っています。

 

 

1.競合との全面対決(あくまで構成上)

これは言うまでもないですね。

対立構造で記憶に新しいのは何といってもSixTONESSnow Manの同時デビューかなと思います。

realsound.jp

発表当時は「こんな形でヲタク達を殴り合わせるなんて・・・!」といった悲しみや憤りの声があふれていたことも思い出します。

 

上記の事例は同社内での形式上の対立構造ですので、

いわばきのこの山 VS たけのこの里みたいな感じです。

prtimes.jp

 

今回は、なんと同じくサバイバル系番組で結成された「BE:FIRST」との同時デビューなので、いわばサッポロビールから新しいビールでます!とキリンから新しいビールでます!の発売日が被ってるみたいなもんですね。

上記のような例えだったら、やれ情報が入ってこようもんなら無理にでもリリース日を前倒しにする、なんてことが起こるのですが、日本の音楽業界の予定調和はそんなに簡単じゃないんですわ。(現に11/9週はなにわ男子のデビューシングルが、10/26週は日向坂のシングルが控えてたわけです)

 

「もうそうなったら真っ向勝負じゃ!お前ら札束用意しろ!」

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というのが昨今のちょっと物騒な人たちの台詞なわけなんですが、今回面白いのは、「極力対立構造をなくそう!」という両グループファンの動きなんですよね。

両グループに「世界に通用するボーイズグループを作りたい」「日本の音楽業界を盛り上げたい」といったような通ずる目的があったので、高め合える好敵手のような形に落とし込めたのが今回の結果を生み出したとも言えます。

 

「推しを押し上げたい」という思いは思わぬ過激派を生み出すのですが、ここまで根幹の目的に落とし込める両グループファンの視野の広さとファン内での意識の統一が素晴らしかったなと思います(これは2にも通ずる部分です。)

サバイバルオーディション番組好きが掛け持ちしていたことも功を奏したのかもね。

 

 

2.日本で育った”貢献型ヲタク文化”×韓国育ちの”ファンダム文化”のM&Aの体制が整った

ファンでの見事な内部統制によって、競合とも大きなぶつかり合い・いがみ合い・争いが起こらなかったのが本当によかった、という話をしましたが、これが出来たのはK-POP生まれの「ファンダム」文化のおかげだなと思っています。

ファンダムとはいわばファンの集合体で、みんなで情報共有をしたり、広告出稿やプレゼントなどについて考えたりするコミュニティです。

詳しくはこちらをどうぞ

www.cinra.net

 

そもそもファンダムがもたらすヲタク同士の「連携」って日本の男性アイドルヲタク界からは表れにくい構造だったんじゃないかと。

 

私は17年程某事務所のタレントのヲタクをやっているのですが、K-POPファンダム文化がここまで台頭してくるまではヲタクの「個」としての発信がやはり強かったなぁと感じます。

疑似恋愛感情を抱く人も少なくないうえ、推しに認知されたい、推しの中で特別なヲタクでいたいというを志をもっている人たちもいるので、連携なんて言ってられないときもあるのでしょう。私もたくさんヲタク同士の喧嘩を経験しました。

 

ファンダム文化はこういうヲタク達の個の争いをまるっと丸め込んで、「推しグループが羽ばたく」という目標だけにフォーカスしてくれるため、情報・思想統制能力がとてもうまくいくかつ無駄な争いを産まないシステムなんだなと思いました。

例えるなら「俺が営業トップだ」「いや私が」ではなく、「みんなで東証一部上場でボーナスGETっしょ⤴」くらいの包み込み具合です。

 

あと、日本男性アイドル業界でじわじわと育ってきた”貢献”文化もファンダム文化を後押しした要因だと考えています。

King&Princeの前身であるMr.KINGとPrinceがJrのトップを走っていたころ(2017年くらい)からでしょうか、ジャニーズヲタクの中にも”数字への貢献”というファンダム文化っぽいものが芽生え始めました。

推しをジャニーズJrからデビュー組へと羽ばたかせたいという一心で、ランキングへの投票・雑誌の重版など、メディアにとって取り上げやすい”数字”に目を付け、それまで個の活動が多かったヲタク達がデビューに向けたたくさんの短期目標を設定し、行動し始めました。

 

私の推しが所属するグループは2007年にデビューしているのでその世界に足を踏み入れたことはなく、「めっちゃホストっぽい文化やな」と思ってた程度でしたが(ごめんね)、これが今の”ファンのやることリスト”を作っていったのかなと考えています。

※ファンのやることリストがファンのやる「べき」リストになることへの危惧はまた機会があったらお話したいですね。

 

偉大なるJO1先輩を生み出した「PRODUCE 101 JAPAN」以降、日本男性アイドルにて培われた貢献型ファンの課題発見・遂行能力×K-POP生まれのファンダムの内部統制能力が掛け合わされた、見事な”日本流ファンダム”体制が徐々に体系化し、その一つの完成系がINIファンダム「MINI」なのだろうなと感じています。

 

いわばめっちゃ成功したM&Aみたいな感じですね。

 

JO1ファンダムである「JAM」(私は豆原一成くん推しです)が荒野を拓き、PDCAを回しまくってくれた基盤あってこそのMINIだというのはTwitterでも度々言われていますが、JAMはこの不思議な2つの文化を完全に融合させることからやってのけたわけですから、マジすげえとしか言いようないですね。

 

あとサバイバルオーディション番組とファンダムってほんと親和性いいよねって話とか、ジャニヲタとプデュってほんと相性いいよねって話もしたかったんですが長くなるので省略します。

 

 

3.情報発信がしっかりとワーク

今回書きたかったのが2の話だったので3はおまけ程度になっちゃいますが、

昨今言われている運営優秀すぎ問題は外せないかと思い、少しだけ触れて終わります。

 

INI運営の情報発信の緻密さは言わずもがななんですが、今回はデビュー前のKCON出演と音楽番組出演時に「NCT 127」と「ENHYPEN」のファンの皆様にパフォーマンスをご覧いただけた点が特にワークしたかなと思います。

 

INIに手っ取り早くハマってもらう方法って、やっぱるK-POPファンの皆様に一度見ていただくことかなと思っていて。(日本のアイドル市場に売り込むにはまず”敵対心”を取り除く作業がかかるので、ちょっとコストがかかります)

「あー聞いたことあるわ」「ニュースで見たことあるわ」くらいの認知はとれているもののなかなかトライアルまで促進できてないターゲット層に向けて、一回サンプル品を渡して試してもらう、っていうのはよくある手法だと思うんですが、アイドルにおけるサンプリングはなんといってもパフォーマンスを一回無理くりにでも見てもらうことなんですよね。私もこれで何人かをJの沼に沈めてきました。

今回はその行動を一番行いたいK-POPファンの皆様に一回自然にパフォーマンスを見てもらう流れを運営側から作れたというのがかなり良かったなと思います。

 

デビューシングルの売り上げに直結しているかの数字は不明ですが、長い目で見るとここでヘビーユーザーになりうるターゲットに見てもらえたことは、今後のINIへの大きな糧となるなぁ・・・などと考えました。

 

 

まだまだ理由はあると思いますが、今日はざっと3点から巨大企業INIが爆誕した理由を考えてみました。

 

また気が向いたら書きます。